一生に一度はオープンカーに乗ろう


私はつい最近までMTの古いオープンカーに乗っていました。
ユーノス(マツダ)・ロードスターという古い車です。
1995年式のNA8Cを2000年に中古で購入して14年間乗りました。
本来ならばまだまだ乗り続けたかったのですが、車両の至る所でガタが生じてメンテナンス費用をかなり負担に感じ始めたため、泣く泣く手放しました。

社会人になって、車を購入できるようになってから、ずっとオープンカーに憧れていました。
しかし当時私の周りでは「あれはセカンドカーとして買うべき車であって、実用性がまったくない」というのが大半の意見でした。

それから5年後、車買い替えの機会に決意しました。
「いまオープンカーに乗らないと、結婚したら絶対に乗れない!」と。
そうです、次々に結婚する同僚がワンボックスカーに乗り換えるのを見て決意が固まったのです。そして結果としては大正解でした。

以降14年間、海へも山へも街へもどこへでも私の足がとなって運んでくれました。
趣味のスノーボードも一人で行くときには、助手席にボードを置き、シートベルトで固定して幌を全開にしてゲレンデへ向かいました。
ゲレンデ付近のガソリンスタンドで店員さんが驚いていたのを今でも時々思い出します。
勿論オープンにしていると、雨にまつわるエピソードには事欠きません。

よくあったのが、高速道路のトンネル前で空が曇っており「雨が降りそうだな」と思いつつトンネルを抜けると、土砂降りで一瞬のうちにずぶ濡れになった事です。
それでも急停止することもできず、数キロ先のサービスエリアまで濡れ続けて走ったことも数知れません。
こんな経験は他の車ではまずできません。
乗っていると指さされて笑われることも多々ありますが、一方で懐かしい車のためか気さくに声を掛けられることも多く、ほんわかした気分にもなれます。

残念ながら現在乗っている車はATのコンパクトカーです。
経済性と実用性が理由で大きく妥協してその車にしました。
この妥協は私から車を運転する楽しさ、車との対話という楽しい時間を奪いました。
ある程度予想していたこととは言え、このショックは大きいです。

以前は運転中に眠くなることはまずありませんでした。
しかし今ではどれだけ十分に睡眠を取っても、高速道路を走るとすぐに眠くなり、「高速道路=睡魔と戦う時間」となりました。
次に購入する車はオープンカーであれば良いのですが、周囲の状況が許してくれるか分かりません。寂しいですが、逆に言うと一時期でもオープンカーを経験できた私は幸運だったのかもしれません。
大半の人は乗りたいと思っても、周囲の状況が許さなかったり、踏ん切りがつかなかったりで、オープンエアの開放感や車との一体感を味わうことなくカーライフが過ぎていくのです。

だから、もしあなたが独身で、車の運転が好きで、目立つことをネガティブに感じないなら、オープンカーをお薦めします。
きっとこれからのあなたのカーライフに大きな影響を与えるでしょう。